2018年1月24日水曜日

回転ドアは、順番に

 関東に4年ぶりの豪雪。連日、全国放送のニュースで関東の機能が麻痺したことを伝えているが、例えば北海道の豪雪地帯に住んでいる人たちにとって、このニュースはほとんど無関係だし、「このくらいの雪でなーに大騒ぎしてんだか」と感じているだろうな、などと思いながら見ている。

 半分溶けて半分凍った道をヨタヨタとすり足で歩きながら、ふと昔読んだ短歌を思い出した。

体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ
  穂村弘

 図書館に寄り、『回転ドアは、順番に 穂村弘×東直子』を借りてきて読んだ。
 短歌と散文を交互に綴る往復書簡のような構成で、男と女が出会って恋に落ちていく。言葉と言葉の間に体温や匂いを感じる。言葉数が少ない分、そこにイマジネーションが広がる余地がある。

 歌もそうありたいといつも思っている。
 ラヴ・ソングの歌詞でも、例えば「ぼくは  きみを」と、そこに間が欲しい。
 その間で、決心だったり、逡巡だったりを表現できる。

 人はいつから、こんなに早口で恋をするようになったんだろうな。